夜の一華…見上げる空に
涙に滲む恋花火
貴方に届くといいですね
未練はこの胸を辛くするから
もう忘れていいですか?
無邪気な子供が燥ぐ姿も
こんなに悲しく見えるのは
心に残る貴方の面影のせい
夜のニ華…見上げる空に
儚く消える恋花火
来世に誓う えにしを結び
この思いが届く様に祈ります
必ず待っていてくれますか?
白檀香らすこの浴衣姿は
星になった貴方に見せるため
私の姿が見えますか?
夜の三華…見上げる空に
刹那に消える恋花火
下駄の鼻緒が切れました
いつかは果てて行く命の様に
夜の空に恋花火は輪廻する
この恋が成就する為に
愛しき貴方と結ばれる様に
私の心が届きますか?
チョット悲しい仕上がりになってしまいました。僕の住んでいる兵庫県川西市と池田市を区切る様に猪名川っていうのがあるのですが…今年は、何時もより早くするそうです。主人公の彼女は、今は亡き人に思いを届けようと、来世での誓いを胸に、花火を見上げています。その心境は、失恋よりも辛く悲しいものなのでしょうね。星になってしまった彼へのレクイエム(鎮魂)の為に浴衣に着替え、浄化すると云う意味を持つ白檀の香りを振り撒きながら、一つ生まれては消えてゆく、花火を、人の輪廻に置き換えて闇に消えてゆく花火を見ていたのでしょう。悲しい作品になってしまいました…