雨蝉
視線は漠然と
目前をただ見詰めている …
突然降り出した雨と
其れでも泣き止まない蝉の声
夏色の景色と同化して行く …
そして夢も
時が過ぎて行く中で同化して行く
今朝見た夢の行き先は あなたの腕の中
今朝見た夢の行き先は 君は僕の腕の中
大粒の雨滴が土を叩き 屋根を叩く
残り少ない命を
諦めきれずに蝉は鳴き続ける
朝顔の切なさに 再びを憶えて …
陽炎の暑さに 魂の熱さを憶える
生きて来た形跡を
少しでも 人々の未熟な印象に刻もうと…
熱く燃えながら 命果てるまで…