遠い夏の記憶
静かな町外れ 大きな楠の樹の下で
蝉時雨を聞いている
その声は いつも懐かしくて…
目をとじれば
あの頃に連れて行ってくれる
夏空の下 入道雲 緑の小径
おかっぱ頭のキミと
日焼顔の半ズボンにランニング姿
麦藁帽子をかぶった キミとボク
幼い恋は言葉も知らず
ただ過ぎて行く…
記憶に熱い想いだけを 灼きつけて…
幼いボクらは
その不思議な気持ちが 恋だとは知らずに…
幼いボクらは
繋いだ手を離す 辛さも まだ解らずに…
時の中 それぞれの路を 歩いて行った
青と緑と白の明るい コントラストの中
遠い夏の夢より 風が届けた記憶…