秋色の滴
気温が低くなって行く この季節の常
夜露に濡れた 葉っぱに 秋色の滴が光る…
魚眼レンズの様に 丸く秋色に
膨れあがった その水滴の玉は
色んな彩りを吸収して
恋を憶えたての 僕達の胸のうちの様に
期待で膨らんでいた…
恥ずかしがり屋の 二人が落ち合う場所は
ひと気の少ない 日曜日の朝の公園
秋の装いの君は 会う度に大人で
スタジアムジャンパーを着た僕は…
いつも 君より 年下に見えていた様だ
秋色の滴は そんな僕達のギコチナイ会話や
初めて交わした 君との口づけをした姿も
その輝きと トキメキを映しこんでいた…
秋色の滴はもう 時の流れに影を落としたけれど
胸の中に輝き この季節が来ると思い出す…