臆病者の呼び出し
放課後帰り道の公園
君を呼び出した
僕の歩く少し後を歩く君
僕は歩幅を合わそうと 少し気にかける
本当はその手を引けば 言わなくても
想いは伝わるかも知れないけれど
そんな事がイキナリ出来るはずもなく
こんな事で気まずくなりたく無い…
君がもう我慢出来ないくらい好きだから…
だけど 君を失いたく無いから
緊張して 唇が震えてきた
カッコ良く
君をデートに誘う筈だったけれど
胸がドキドキして そうもいかない
とりとめも無い言葉が
退屈させない様にと
時間を費やしている
君は其れでも
まだ 何の用とも言わずに 一緒にいてくれる
優しく目を反らせてくれている
臆病風に吹かれ言葉に出来ずに
僕はタイミングを待つ事にした
風に流れて
ブラスバンドの残響が聞こえていた…
君は夕陽に髪をなびかせて
輝いたまま 僕の心で眠っている…
デートに誘う筈だった日の午後
街角で隣のクラスの奴と楽しそうに歩いてた
君の笑顔を見た…