切なすぎる一人芝居
僕が話しかける あなたは少し俯いたまま
僕が微笑みかけるあなたは涙を堪える
僕が近付こうとすると あなたは離れて行く
言葉も 音も 体の温もりさえも
なぜか 感じない
そして 其処に差し込む 光の明るさも感じない程
闇でも無く 光が射しているわけでも無い
夢を夢と思えずに 現実と錯覚している
浅すぎる眠りを繰り返す
都合の良い幻覚 切なすぎる一人芝居
あなたを感じ喜びを胸に
その幻はそうさせてくれる
一口だけ噛り付いた林檎を僕は差し出す
あなたは それでも何も言わず 微笑んでいる
僕達は死んでしまったのか?
そして 愛も 死んでしまったのか?
幻とのやり取りを 僕はそのひと時を
楽しくも 悲しくも 切なくも 変換して行く
あんなに愛したのに 熱さを憶えたまま
もう会えないなんて…
時の過ぎてゆくままに
短い命を削りながら それでも生きて行く
あなたが 何時までも幸せであれる様に
一時のこの幻と戯れて 優しく労わりながら