誤差程の心
突然降り出した 帰り道の雨に
歩み寄る 優しい君が声かけてくれた
傘が無いなら 入って行けば…近くなんだから…
そう言い寄る憧れの君の言葉に
一人勘違いしてる様な僕…
自分に言い聞かせても
少年の心は余りにも 正直過ぎて
顔を赤らめていた…
君への片想いが ばれたのかと思ってた
後…10センチ…近寄れ無くて…
此方に寄せてくれた
傘の把手を君の方へ戻そうとした時
指と指が触れ合い
そしてお互い一瞬目が合ってしまった
何故か気まずい雰囲気で
どうして そうなってるのか?
心の動きも読めずに
言葉足らずの僕達は 何も言え無くて…
それでも…後…10センチ…近寄れれば…
そんなことを考え
スムーズに出来ない自分を少し後悔してた
家の前で 君が立ち去った後の
君の髪の香りが甘くて 切なくて
余韻が僕を別世界に封じ込める
そんな事を 思い出していた…
僅か 誤差程の心の持ち方で
人生も簡単に変わる物だと思った…