潮風に吹かれて
夕陽に灼けた 茜色に二人のシルエット
涼風の中を 君を後ろに乗せて走る
今思えば 良くあるさりげない
部活の帰り道 青春の光景
家が同じ方向を口実に 君を誘った
高鳴る気持ち 抑えながら…
自転車の軋む音さえ嬉しくて
気持ちのやり場も解らず …
けれど答えは出ない…
もし この気持ちが恋ならば
そう考えると …
二度と来ないチャンスにも思え
急ぎ過ぎると自分を見失いそうで
どうしたらいいのだろうと試行錯誤する
やっぱり 心が切なくて
デモ 何が切ないのかもわからずに
デモ…デモ…君が好きだ…
胸の高鳴りが心地良くて
この川伝いの道を下って行くと
もう君の家…有難う…じゃあって…
何も云えずに…ただ優しい風に包まれた
潮風の匂いと 黄昏の海…
夏の制服を着た 僕が物思い佇んでいた…