雪の朝
終電の改札を出て 君を家まで送る 坂の途中
曇った息が白く 街路灯に照らされていた…
時たま並んで 歩く肩の間に 凍えた風が吹く
少しだけ お酒も飲んで 前より
打ち解けあえた気がしたのは 僕だけだろうか?
そんな 少しの喜びと 途切れ途切れの会話…
もしこのまま 僕が君を好きといえば
君は僕の思いに 応えてくれるのだろうか?
自分に都合のいい 妄想を描きながら歩いた
気圧配置は西高東低に変わり 夜は闇を深めて行く
凍りついた白い公園の中に 僕らの足跡を残しては
軽やかに シンシンと淡雪が それを消して行く
そして何かが 繋がって行く…温もりを求めて…
僕等は 何かが 分かり合えたのだろうか?
翌朝目覚めると 君が熱いコーヒーを入れてくれた…
僕らの足跡は 人知れず跡形も無く消えていた…
雪の朝 僕等はいつの間にか近い存在になっていた…