白い蜃気楼
真夏の日射しに灼きつくされた 白いヴィラ
ブラインドを降ろして 見詰める長い睫毛
無造作に 少し茶色の長い髪をかき上げたなら
シャツのボタンひとつ外し 囁いてくれるの?
そしてふたつ外したなら 君なら愛してくれるの?
大人のやり方で 僕を試す 年上の女(ひと)
貴女には ホンの火遊び(あそび)でも
僕には本気(マジ)な話し…
灼熱に(あつく)燃え尽きて 乱れさせて欲しいから
遅過ぎた出逢いでも その溜息ごと愛したい…
貴女がいつも言う様に この世が泡沫の夢ならば
理性の壁も打砕き
どんな罪でも受けて生きて行く …
立ち尽くす 僕を包み込む 淡い吐息と甘い髪の香り
我慢出来ずに抱いた その瞳は何故か涙で濡れていた
真っ赤な唇 誘惑の熱い風 激しく貪り合う寂しさを
今は眼の前の僕だけに 躰ごと 全て委ねて欲しい…
その涙のわけは…聞か無いけれど…
貴女の演技は遊び慣れた女 でも本当は違う…
そしてその答えは…淋しい知らせなんだろう…
出来るならその手を縛る鎖を引きちぎり
このまま 誰も知ら無い国へ さらって行きたい
真夏の昼下がり 禁じられた遊び
この世で叶わぬ夢ならば…
蜃気楼の様に 何も残さず 僕の記臆を吹き抜けて欲しい…