寒夜空
夜の深さを思い知る 凍えた夜だった
君と二人 冬の星座を見ようと
吐く息白く それでも見上げてた空…
澄み切った夜空だけで 愛の話ができた頃
君の為に 何か出来ることは無いか探してた
躊躇いながら君を驚かさない様に
精一杯の愛は ドキドキしながら
君の肩に腕を回し 引き寄せた…
少しでも 寒さをしのごうと
お互いの温度を確かめるかように
そんな事でも僕らには重大な事
そんな事でも幸せを感じていた…
無垢な恋人が愛を知る 静かな夜だった
小さな胸を震わせて瞳見つめあった
音の無い藍色の闇の世界で …
ただ夜空の主役達は物語を演じ続けていた
月はその頬を照らし 星は愛を照らす…
気まぐれな雲は 氣の流れを表現し
そして風はそれらを程よくそよがせて行く…
密かな静寂の中に次々と生まれて来る
言葉に出来ない気持ちで 胸は一杯になる
君の為に 何か出来ることは無いか探してた…
そんな事でも それは愛しさだったんだよ…
そんな事でも キット幸せだったんだ…
兵庫県の川西市と大阪府池田市の間の河川敷にある広い公園で野球のグラウンドや球技場が幾つかあり、星を見るのには、小高く丘になっていて、夏は花火大会なんかも行われる場所なんですが、夕暮れから夜にかけては、人気が少なく周りも丘から少し降りるので人目にはつかずに暗くて、星を眺めるにはぴったりな場所でした、今は、少し変わってるかもですが…そこの丘したの野球場のベンチが、最高の場所でした。不良達にも人気がありましたが…歩くか、自転車でないと行けない場所だったので、思春期の始めの頃、色んな妄想をしながら、憧れの彼女の事を思い、センチメンタルな気分で、空を見上げたり、届ける事がなかなか出来ない思いで、切ない胸の中を友達に聞いてもらったり、自分一人で夜空に話しかけにきたりした場所でした。男として未熟過ぎた僕は、女子の肩にに手を回すと、嫌がられたり、気持ち悪がられたり、したらどうしようかと思う反面、何も与えられるものも無いし、今みたいに、使い捨てのカイロがあるわけも無く、勇気を出して、少し震えてた小さな肩に、手を回して寒さをしのいだ…今考えると、本当にしのげては無いと思うのだけれど、そんな事でも、二人にはその温かさが、大切な事で、重大な出来事で、幸せを噛み締めていた様な気がします。